日本読書療法学会のホームページが新しくなりました。

私がうつ病から読書によって回復した経験から日本読書療法学会を設立したこともあり、当初はうつ病からの回復過程での読書療法(読書セラピー、ビブリオセラピー)の活用を主眼としていました。そのため、ホームページ自体も重めの雰囲気にしていました。

今後もうつ病からの回復過程での活用は引き続き重視していきますが、予防の意味でも、日常的なメンタルヘルスケアの一環として読書療法を取り入れていただきたいと考えています。勉強や娯楽ではなく、癒しとしての読書があることをより広く一般に認知していただければとの思いから、ホームページ全体の雰囲気も変更しました。

ロゴをご覧いただくと、中央部分に万年筆のペン先があります。読書療法というと読むことにどうしても焦点が当たりますが、読書療法には書くことも含まれています。この点については『古典の効能』で言及していますので、以下に引用します。

“読書療法には、実は、本を読むだけではなく、書くことも含まれます。書くという行為によって精神の回復を得られる事例は多いのです。心の奥底にある思いを、文字によって掬い上げ、可視化する。それによって自分を深く知ることもできますし、悩みを身体の外にいったん取り出して自分自身と切り離し、客観的に捉えることもできます。書いたものを人に読んでもらい、共感を得られれば、癒しの効果はさらに大きくなります。
また、書くことは、自分の書いた文章を読むことでもあります。自分のために煎じた薬を服用するような効果があるのではないでしょうか。(以下略)”

書くことの療法効果についても認識を深めていただければとの思いもあり、このようなロゴにしています。

参考資料も、これまでに比べて活用していただきやすくなったかと思います。詳しい活用方法については追ってご紹介していきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

寺田真理子